Themes テーマについて
Design Mattersは毎年、デザイン業界における3つのトピックを深く掘り下げています。トークやワークショップの指針となるテーマは、国際的なデザイナーの委員会での議論を元に決めています。
失敗を受け入れる
私たちは失敗は恥ずべきことだという認識が強く、それ故に、失敗することやメンツが潰れることに恐れ、それらについて話すこともタブーとなっています。失敗をしたとき、私たちは自己批判のスパイラルに陥り、ひどく傷つきます。これは、激しいグローバル競争と対峙し、アイデアや解決策を生み出し続けるプレッシャーと戦うデザイナーたちに特に当てはまります。
また世の中では有名なデザイナーや起業家の華々しいサクセスストーリーを称賛する傾向にありますが、失敗を率先して共有する人は多くありません。それはおそらく、成功の責任が私たち自身の中にしかないと教えられているからで、もっと良くするためにはもっと頑張るしか無いと思っているからでしょう。それは結果として、外部からの評価を気にするような風潮を生み出しているのかもしれません。 しかし、私たちは誰しもがロッキーのような戦士ではありません。
自分の失敗を認めるには勇気が必要ですが、失敗は私たちの生活を好転する力を持っています。特にデザイナーにとって、失敗は素晴らしい学習の機会です。Design Matters Tokyoでは失敗を共有することで、私たちの持つ弱みや、信頼性、共感性について有意義な会話をしたいと考えています。意図せず不適切な表現となってしまったロゴの話から、「直感的」すぎるインターフェースでユーザーが使い方を忘れてしまったアプリの話、誰も解読することのできない書体の話など。 失敗こそが大きな発見のきっかけであることを忘れないでください!
リモートコラボレーションをデザインする
新型コロナウイルスは私たちが想像もしなかった方法で私たちの生活を変えました。 リモートワークはいまや多くの人にとって必要なものになり、eラーニング、バーチャル会議、オンラインショッピングなどの領域が急速に発展し、数年前では考えられなかった程にデジタル化が進んでいます。
ポジティブな見方をすれば、このパンデミックはより持続可能で、気候にやさしく、世界中でコラボレーション可能な新しいムーヴメントに命を吹き込みました。 遠隔地のライフスタイルを前提としたプロダクトやサービスのリリースも相次いでいます。 Design Matters Tokyoでは、デザイナーがこの現状をデジタル製品や体験にどのように取り入れ、従来とは異なる方法で仕事、対話、娯楽、教育、エンゲージメントなどをデザインすべきかを取り上げます。 リモート下でデジタル化できる機会はどこにあるのか、その危険性や落とし穴は何か、そして私たちがデザインの実践にどのような倫理を適用すべきかについて学びます。
北欧のデザインアプローチ
北欧デザインは、機能性と美しさを組み合わせた、クリーンでミニマルなアプローチが特徴です。シンプルな線と空間に焦点を当て、雑然とした状態を良しとせず、不要なものを取り除き、プロダクトの本質的な要素のみを魅せます。まさに「形態は機能に従う」を体現しているデザインとも言えます。北欧人の功利主義の傾向を考えると、持続可能性がほとんどの現代のスカンジナビアのデザインに不可欠な部分であることは当然のことです。特にデンマークのデザインは、そのなめらかなライン、機能性、優雅さで際立っています。デンマークは、北欧で最も贅沢を見つける可能性が高い場所ですが、同時にデンマークはヒエラルキーのないフラットな考え方と、仕事へのアプローチにおける遊び心のあるタッチでも知られています。
では、この設計哲学をデジタル製品にどのように適用できるでしょうか。上品で、個人的でありながら遊び心のあるアプローチをデザインやプロセスに組み込んで、体験をより魅力的で楽しいものにするにはどうすればよいでしょうか。このカンファレンスに参加して、できる限りのヒュッゲ(デンマーク特有の温かくフレンドリーな雰囲気の中で感じる居心地のよさと快適さを示す言葉)を吸収しながらこれを行う方法を学びましょう!